専門学校YICリハビリテーション大学校

JR宇部駅近くの「専門学校YICリハビリテーション大学校」の作業療法学科教員・渡辺慎介さんに、同校が展開する「まちなか保健室」の活動について、活動内容や作業療法士の役割、今後への思いなどを聞きました。

――「まちなか保健室」とは、どんな活動なのでしょうか?

宇部市を中心に、官民が一体となって、介護予防や健康づくりに取り組んでいこうという試みです。
高齢者の方を中心に、身体と心の健康や生活での困りごとなどを気軽に相談できる場、実践できる場として活動しています。
YICの行う「まちなか保健室」は、月1~2回当校で開催しているものと、市内の各サロンや事業所に出向いて不定期に開催しているものがあります。
YICで行っているものは、どなたでも無料で参加できますよ。

――YICが行う「まちなか保健室」では、作業療法士や理学療法士といった専門の先生方が直接関わっていることが特徴ですね。

はい。当校で教鞭をとっているリハビリ専門の職員が、直接皆さんにアドバイスや指導を行っています。
リハビリというと「体の機能を改善する、鍛える」と思われがちですが、認知機能や精神的に不調を抱えることも多く、健康づくりにも「心・身体・脳」から総合的にアプローチする必要があります。
幅広いプロの専門家が、それぞれの分野で適切な相談・指導ができるので、大いに活用してほしいです。

――作業療法士とは、どんな仕事をする人なのでしょうか?

作業療法士は、体や心・認知機能に障害がある人が「その人らしく」生活できるように、サポートしていく役割を担っています。体の機能だけでなく、心や生活を含めて「生きがいをもって豊かに生きること」に焦点を当てていることが特徴ですね。

「作業」とは、食べること、入浴、仕事や趣味など、日常生活に関わるすべての活動のことを指します。
作業療法士は、心、身体、脳の回復もちろん、家事の練習をしたり、趣味を楽しむことや外に出ること、地域コミュニティに参加することなどのリハビリまで含めて、生活適応力を身に着けていけるようサポートします。

最近は、運転免許センターや小中学校、刑務所など多くの場所で作業療法士が求められる仕事が増えています。

――先生が考える「作業療法」の魅力とは、何でしょうか?

作業療法とは「めがね」のような存在だと思っています。
悪くなった目を良くすることは難しいけれど、めがねをかければきちんと見えるようになる。少し環境を変えてサポートするだけで、生活はグッと改善されていきます。

「作業」は人の生きがいや社会とのつながりを作るもの。
例えば自分の母親を想像しても、「立ち上がれるようになった」ということだけでなく、「味噌汁を作って子供や孫に喜んでもらう」ことができて、自分の役割や喜びを感じられると思うんです。
作業療法を通じて、その人が「豊かに人生を生きる」ために直接アプローチ出来るのは、大きな喜びであり、誇りですね。

こころと体は繋がっています。作業療法という手段をもっと色々な方に知ってもらい、「リハビリ」という言葉のイメージを変えていきたいですね。

<問い合わせ>
専門学校YICリハビリテーション大学校
宇部市西宇部南4-11-1
TEL 0836-43-7388

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